今回の遊び体験は年少クラス（３歳～４歳）と年長クラス（５歳～６歳）に分けて行いました。最初に体験したのは年少クラス。広々とした教室にニューブロックとプラレールのたくさんのパーツが並べられ、先生の「遊んでいいよ」という声とともに園児たちが一斉におもちゃに殺到しました。

「年少クラスの場合、大きな構造物はまだ作れないので、眼鏡とか花とか、身近にあってイメージしやすい小さなものを作る傾向がありましたね」

一方、年長クラスの５歳児にもなると、たくさんのパーツを使ってより大きな構造物を作る傾向が見られました。線路に被せる橋やトンネルを自発的に作ったり、線路の近くに置く家を作ったりと、遊びに発展性も見られました。お友だちが作っているものを見て、「じゃあ自分はこういうものを作ろう」とか、街のようなものができあがっていくのを眺めながら、「これが足りないから作ってみよう」といった感じですね。共通の目的に向けてそれぞれが個性を発揮しながら、協力し合っていました。

このようにニューブロックとプラレールを組み合わせて遊ぶことには、うれしい効果もあるといいます。

「プラレールには、トンネルや木など、独自の情景パーツもありますが、子どもたちが思い描くものがすべて揃っているわけではありません。そんなときにニューブロックがあれば、既製品にないものを自分で作り出すことで、豊かな想像力と創造力が育まれます。

５歳児くらいになると、「ここにはこんなビルが必要！」などと、自分の中に作りたいもののイメージがどんどん膨らんでくるはずです。ニューブロックとプラレールを組み合わせる相乗効果として新たなひらめきや工夫が子どもたちの中から引き出されていくと思います」

最近では、子どもと何をして遊べばいいのか分からないという保護者が増えているといいます。そんな時にも、プラレールとニューブロックの組み合わせはおすすめです。

「プラレールやニューブロックには、子どもだけでなく大人も楽しめる要素がたくさんあるので、コミュニケーションツールとしてうってつけです。特に、低年齢の子どもの場合、ニューブロックとプラレールを組み合わせて遊ぶような、“遊びを発展させる力”を養うには大人のサポートが必要。例えば、子どもがプラレールで遊んでいたら、その横で保護者がニューブロックで何かを作ってみましょう。このとき、楽しそうに遊ぶことを忘れずに。そして、子どもがニューブロックに興味を示したら「どうぞ」と渡して、今度は保護者がプラレールで遊べばいいのです」

声かけのポイントとしては、子どもが作ったものに対して「家を作ったのね」とか「大きな橋だね」などと、大人のイメージを押し付けるような言葉は控えましょう。

「大人の想像とは全く違うものを作っている可能性も大いにあるので、こういった声がけをすることで、子どものイマジネーションが固定化されてしまう恐れがあるのです。例えば、「よくできたね！」「すごいね！」といった肯定する言葉を使ってコミュニケーションをとるといいでしょう。

また、大人といっしょに遊んでいるときに、大人が作っているものを見て、子どもがマネをするのはよいのですが、大人の方から「こう作りなさい」などと、干渉しないことが重要です。例えば、ブロックで家を作ろうとすると、大人は完全に再現しがちですが、子どもはそうはいきません。到底家に見えなくても、形がいくら歪んでいても、それで構わないのです。あまり口出しはせず、ある程度、子どもの自由に作らせてあげることを心がけましょう」

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