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子どもが発するサインを見極めよう
鉛筆デビューにおすすめのタイミング

子どもが発するサインを見極めよう  鉛筆デビューにおすすめのタイミング

未就学児の子どもを持つ保護者にとって、“いつから鉛筆の練習をはじめたらよいのか”は、大きな関心事のひとつです。保護者を対象にしたアンケートでは、『入学前に子どもに身につけさせたいこと』として、「ひらがなが読めること」、「ひらがなが書けること」に次いで「鉛筆を正しく持てること」が3位にランクインしています(学研教育総合研究所 2019年「幼児の日常生活・学習に関する調査」より)。そこで今回は、学研の幼児教室でカリキュラムコンテンツ開発に携わっている青栁菜央さん(株式会社Gakken)に、鉛筆デビューにおすすめの時期や保護者のサポート術についてうかがいました。

ひとつの目安は3歳。でも、興味を持ったときが“そのとき”です

学研教育総合研究所の調査によると、約6割の保護者が、入学前に身につけさせたいこととして「鉛筆を正しく持てること」を挙げています。それに対して、実際に鉛筆を正しく持っている割合は、4歳で約3割、5歳で約4.5割という調査結果が。そして、「ひらがなを書ける」割合では、4歳で約2割、5歳で約5割となっています。(下記グラフ参照)。

周りの子どもたちが徐々に鉛筆を使いこなして文字を書きはじめている様子を見て、「そろそろ、うちの子も…」と考えている保護者も多いことでしょう。では、具体的に何歳くらいが鉛筆デビューに適したタイミングなのでしょうか?

 

【グラフCAP】

学研教育総合研究所 「幼児の日常生活・学習に関する調査」(2019年)より改定。幼稚園・保育園に通っている満4~6歳までの男児と女児1200人を対象に調査。回答は、保護者の付き添いのもと子ども本人が回答。

この調査によると、小学校入学前までに、約5割の児童が鉛筆を正しく持てるようになっていることが推測できます。

 

 

「子どもの発達には個人差があるので、年齢を基準に語るのは難しいのですが、鉛筆デビューの時期として、ひとつの目安を挙げるとすれば、3歳くらいですね。というのも、3歳になると、手指が一段と器用になって自分の思い通りに動かせるようになるからです。2歳くらいまではクレヨンを使って縦線や横線しか描けなかったものが、3歳頃になると、三角や丸といったいろんな形に興味を持ち出したり、徐々に閉じた丸が描けるようになったりします

また、この頃は、自分の経験を言葉にして伝えられるようにもなるので、“誰かに何かを伝えたい!”という気持ちがとても強くなります。例えば、「お手紙を書いたよ!」なんて言って、図や絵を思いのままに描いて渡してくれることはありませんか? そんな様子が現れだしたときに、鉛筆デビューをしてみると書くことがもっと楽しくなっていくかもしれないですね」

 

大切なことは子どもの自主性にゆだねること。“3歳になったから”、“丸を描けるようになったから”といって、すぐさま子どもに対して「鉛筆を持ちなさい!」では、逆効果になることも……。

 

「手指を巧みに使うことができるようになったとはいえ、“書くこと”に興味がなければ、無理やり持たせてもかえって苦手意識を植えつけてしまう恐れがあります。ひとつの基準として“3歳”としましたが、興味関心を持つ時期には個人差が。「同じ年齢のほかの子はもう鉛筆で文字が書けるのに、うちの子は……」なんて焦る必要はありません。大切なことは、本人の「やってみたい!」という気持ちです。ふだんの様子から、子どもの発するサインを見極めて、さりげなくサポートしてあげるとよいでしょう」

 

幼児期の発達には個人差がかなりあるので、焦らず、急かさず、子どもが “興味を持ったときが、鉛筆デビューのとき”と考えればOK。下に挙げた行動を子どもがとりはじめたら、鉛筆デビューの準備ができたサインなので目安にしてみて。

 

子どもが発する鉛筆デビューのサイン

●服のボタンを留めたり、お箸を使いはじめたりする


周囲の様子を見ながら、自分もチャレンジしてみたい!という気持ちが旺盛になる。見よう見まねで、服のボタンを留めようとしたり、3本の指でお箸を持って食事をしようとしたり……。正しくできなくても「やってみたい!」という気持ちのもとで行動しはじめる。

 

●さまざまな形に興味を持ち出し、閉じた丸を描けるようになる


身の回りのさまざまな形に興味を持ち出し、〇、△、□といった形を認識しはじめる。それまで描いていた縦線や横線から、次第に丸のような形を描き出す。さらに、上手ではないが、始点と終点がくっついた○(閉じた丸)を描けるようにもなる。

 

●自分の経験や感情を言葉で伝えようとする


「○○したよ!」、「さみしい」、「どうして?」などと、自分の経験や感情を言葉で伝えられるようになる。それまでよりも上手に言葉を操れるようになることで、誰かに何かを伝えたいという欲求が強まり、保護者などに訴えかけるようになる。

 

●文字の形を認識しはじめ、文字と言葉の関係が分かりはじめる


文字の形や、文字が言葉を表していることを認識しはじめ、保護者の誘導も手伝って、正確には読めなくても、看板や絵本などの文字を読もうとする。また、保護者のサポートのもとで、自分の名前のひらがななど、一部のかな清音(濁点・半濁点を抜いたかな)を読みはじめる。

 

※子どもの成長には個人差があります。上記はあくまでも目安です。

正しい持ち方が自然と身につく!“はじめての鉛筆”の選び方

 

「どうやら鉛筆デビューが近づいてきたな」と感じたら、用意しておきたいのが、“はじめての鉛筆”です。お箸の持ち方と同様に、鉛筆の持ち方も、悪いクセがついてしまうと将来、なかなか修正するのが難しくなります。そのため、はじめて持つ鉛筆は、正しい持ち方が自然と身につくようなものを選びましょう。

 

「一般的にマーカーやクレヨンといったペン先が柔らかい筆記具を経て、鉛筆に移行するのですが、幼児期は特に筆圧が弱いので、6Bや4Bなどの、芯が太く柔らかいものを選ぶとよいでしょう。文具店にはHBやBの鉛筆が多く売られていて、大人からすると十分な濃さだと思いがちですが、幼児にはあまりおすすめできません。まだ筆圧が弱いので、HBやBの鉛筆では、文字が薄くなってしまい、自分の書いた文字がよく見えないという状況に。すると、せっかく書いても文字が見えない=成果が見えない、ということにつながり、“鉛筆で書く”という意欲が薄れてしまうこともあるのです」

 

さらに、六角形や円形など鉛筆の形にも幼児期ならではのおすすめの形があるといいます。

 

「幼児期にはじめて持つ鉛筆として選ぶなら、三角鉛筆がおすすめです。三角鉛筆は、人差し指、親指、中指の3本の指をそれぞれ三角形の面に当てることで、自然と正しい持ち方をサポートしてくれます。また、六角形や円形の鉛筆と比べて、指が当たる部分の面積が広いので、しっかりと指を固定できるというメリットも。結果的に文字や線がブレることなく、幼児でも比較的キレイに書けるので達成感にもつながります」

 

また、一般的に売られている大人用の鉛筆の場合、長さが18cmほどあるため、幼児が持つには少し長い印象があります。はじめての鉛筆は、少し短め(13cmほど)のものを選ぶとよいでしょう。

 

“はじめての鉛筆”の選び方 3つのポイント

❶ 硬さ⇒ 「6B」または「4B」などの芯が柔らかく太いもの

❷ 形状⇒ 3本の指がしっかり固定できる「三角鉛筆」

❸ 長さ⇒ 長いと持ちにくいので「短め」がベスト

鉛筆に興味を持たせる保護者のサポート術

子どもが発するサインをキャッチしたら、いよいよ保護者の腕の見せどころ! 子どものやる気を削がないよう、さりげなく鉛筆デビューをサポートしてあげましょう。

 

◆子どもの前で鉛筆を使ってみせる

 

大切なことは、“鉛筆を持たせる”ことではなく、“鉛筆を持ちたい気持ちにさせる”ことです。

「鉛筆を渡して、「さぁ、書いてみなさい」というやり方ではなく、保護者がまず子どもの前で鉛筆を使ってみせて、「書くのっておもしろそう!」と興味を示したら、「いっしょにやってみる?」と誘ってあげるとよいでしょう。この時期の子どもは、何事にも興味津々。保護者や兄弟姉妹、お友達などがやっていることを見ると、自分も同じことを「やってみたい!」となります。そういった気持ちにうまく誘導するのがコツですね」

 

◆危険性を認識させる

 

子どもが鉛筆に触れるときは、先が尖っていて危険であることを十分に認識させる必要があります。「例えば、「振り回したらダメだよ」「口にくわえないでね」など、その都度、声がけをすることを忘れずに。危険性がある程度理解できるまで、繰り返し伝え続けてあげましょう。また、保護者も子どもが鉛筆を持って走り回ったり、ふざけたりしないよう、見守ってあげてください」

 

◆まずは自由に好きなものを

 

鉛筆を持てるようになったら、保護者としては「早く文字が書けるようになって欲しい」と思いがちですが、そこはグッとガマンを。

「この時期は、まだ筆圧も弱く、運筆力もついていないので、いきなり文字を書く練習をしてもうまく書けません。キレイに書けないとやる気も損なわれ、文字を書くことが嫌いになってしまうこともあります。鉛筆デビューができたら、まずは、自由に好きなものを書かせてあげましょう。そして、鉛筆を使うことに慣れてきたら、市販の幼児向けワークなどを利用して、点つなぎ、迷路、なぞり書きなど、運筆力をつける練習したり、鉛筆の正しい持ち方の練習をしたりするとよいでしょう。ひらがなや数字など文字を書く練習は、そのあとのステップになります」

 

鉛筆の正しい持ち方や運筆力をつける練習については、下の記事を参考に。

 

 

《この記事もあわせてチェック!》

 

★鉛筆デビューと同時に行ってみよう

学力向上にもつながるってホント?小学校入学前に身につけたい『運筆力』

 

★鉛筆デビューの後に行ってみよう

幼いうちの今だから身につけたい!本当に正しい鉛筆の持ち方&動かし方

鉛筆デビューにおすすめ!『さんかくえんぴつ』 

ここでは、正しい鉛筆の持ち方が自然と身につく商品をご紹介!

幼児向けの鉛筆といえば、持ちやすい三角鉛筆が主流です。なかでも、この「学研のさんかくえんぴつ」は、3つの面が色分けされているので、親指、人差し指、中指を鉛筆にどう当てればよいのかなど、正しい持ち方が指導しやすい設計になっています。

さらに、色覚の多様性に配慮したカラーデザインを採用しているので、多くの人が区別しやすい配色に。小学校入学後も使い続けられるので、発達段階に合わせてセレクトしましょう。

学研のさんかくえんぴつ 6B 6本セット

495円(税込み)

柔らかく濃い6B芯は、筆圧が弱い幼児でも濃く滑らかに書けるので、はじめての鉛筆におすすめ。太めの軸(8.8mm)だから、クレヨンやマーカーからの移行期に最適です。長さは13cmと一般的な鉛筆より短く、小さな子どもでも持ちやすくなっています。[年齢の目安:2・3・4歳~]

 

学研のさんかくえんぴつ 4B 6本セット

495円(税込み)

長さ15.5 cmと市販の鉛筆に比べて2cmほど短くなっているのが特徴。3~4歳の子どもの手に合う長さになっています。また、芯の濃さが4Bと、しっかりとした濃さで書けるので、文字や数字を書く練習にも最適。鉛筆で書くことに慣れてきた幼児におすすめです。[年齢の目安:3・4・5歳~]

 

学研のさんかくえんぴつ 2B 6本セット

495円(税込み)

芯の濃さは、小学校の入学時に用意する2Bを採用。長さも一般的な鉛筆と同じ17.7cmなので、入学準備にはもちろん、入学後も長く使い続けられる鉛筆です。大人用の鉛筆よりも軸が太めになっているので、子どもでもしっかり握れるところが特長。[年齢の目安:4・5・6歳~]

監修者プロフィール

青栁菜央さん
株式会社Gakken
出版・コンテンツ事業本部 U5事業部 幼児教材編集課 教室教材チーム

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